新年明けましておめでとうございます。新年と言えば餅つきにお年玉と楽しい行事が連想されますが、ここアメリカでは所得税の申告がまず第一に頭に浮かぶのではないでしょうか。そこで今回は、個人所得税申告書の無料作成プログラムについて紹介したいと思います。
VITA プログラム
1969年税制改革法の一環として導入されたVITA (Volunteer Income Tax Assistance) プログラムは、納税者の税務に対する知識を向上する事を目的として開始されました。同プログラムは税務教育の他、ある一定条件を満たした納税者に対して無料で個人所得税申告書の作成サービスを行うプログラムとしても知られています。サービス内容は当該年度の連邦所得税申告のみならず、州所得税申告や過去の修正申告と幅広く行われています。
会場で申告書の作成を行うボランティアの人達は全員IRSのトレーニングを受け試験に合格する必要があるため、税務申告の知識や経験の無い方には大変役立つサービスとなっています。また各会場には、IRSの職員または税務の専門知識を持った責任者が最終確認を行うため、申告書の質もある一定に保たれています。
また同プログラムは納税者の所得税申告の手助けをするのみならず、専門家の監督のもと税務申告の実務経験を積むことが出来るため、会計学専攻の学生や米国税務に興味のある方にとってもメリットのあるプログラムとなっています。
VITA プログラム会場
通常図書館、学校、教会やショッピングモールなどの公共施設が会場として利用され、その殆どが一月下旬から四月上旬まで営業を行っています。場所によっては営業期間や営業時間が異なっていたり、予約が必要な場合があるため会場に足を運ぶ前に事前に確認することをお勧めします。なおVITAプログラムの会場は次のリンクより検索できます。
必要書類
次に記している必要書類すべてが揃わないとサービスを受けることが出来ませんので、くれぐれもご留意ください。なお夫婦合算申告をする場合には、申告書に両者の署名が必要なため、一緒に会場に行かなければなりません。
- 身分証明書(免許証等)
- 生年月日を証明できる書類(免許証、パスポート、出生証明書等)
- 社会保障番号または納税者番号(家族全員分)
- 源泉徴収票(様式W-2)
- 利子・配当所得情報(様式1099等)
- 学費・学生ローンに関する書類
- 住宅ローンの情報
- 銀行口座情報(還付を振込する場合のみ)
- 昨年の申告書のコピー(提示が可能な場合のみ)
実は、かく言う私も学生の頃ボランティアの一員としてアーリントンの会場でお手伝いをした経験がありますが、納税者に還付の金額を知らせた時の嬉しそうな笑顔を今でも鮮明に覚えています。いろは読者の皆様もどうぞご利用ください。