同性婚と税金

 

先月の26日に同性婚をめぐる判決が連邦最高裁判所で下され大きな話題となりましたが、実はこの判決は人権面のみならず税務面でも大きな影響を及ぼす重大な出来事だった事を皆さんお気づきでしょうか。そこで今回は同性婚と税務面の影響について話をしてみたいと思います。

 
婚姻擁護法
クリントン政権時の1996年に合法化された婚姻擁護法は、法的婚姻関係の定義を男女間に限ると定めていた為、異性婚カップルには当たり前のように認めているあらゆる権利や特権を同性婚の夫婦に対しては認めていませんでした。

 
違憲判決
今回、連邦最高裁判所は5対4の僅差で結婚を男女間のものと定めた婚姻擁護法が違憲であると判断し、これにより異性婚の夫婦に与えられていた社会保障や税制面での権利が同性婚の夫婦にも認められる見通しになりました。この判決により実際に税務面で影響を受ける主な項目について考えてみたいと思います。

 
税務面での影響

  • 申告身分

ご存知のとおり申告身分には独身、夫婦合算、夫婦個別、世帯主、適格未亡人の選択股がありますが、各申告身分により税法で認められている控除の金額や適用される税率が異なるため税金の計算に大きな影響を及ぼします。

今回の判決により今まで夫婦合算で申告できなかったカップルが今後は夫婦合算申告をする事により、追加で新たな控除を得られたり低税率で税金を算出する事により大きな節税効果を得られる事が可能になります。また過去3年さかのぼり修正申告をする事により還付金を請求する事も考えられます。

  • 遺族年金

通常遺族年金は亡くなった納税者の配偶者またはその家族に支払われるため、法律上の家族関係が重要な判断基準となります。血縁関係にある家族間の場合には問題はありませんが、血縁関係のまったく無い夫婦の場合には法律上の家族関係が判断基準になるため、法的婚姻関係が重要となってきます。

  • 相続税

配偶者の死亡時に夫婦間で移転される資産は全て非課税扱いとなりますが、同性婚のカップルは連邦税法上夫婦として認識されていないため、州レベルで婚姻関係にあっても相続税が発生しました。

  • 医療保険

会社加入の医療保険の扶養家族範囲はそれぞれ会社や保険会社の規定や取り扱いにより変わるため一概に言えませんが、通常従業員の扶養家族が対象となりますが、同性婚のパートナーは扶養家族として認められていないケースが多く異性婚の夫婦に比べ不利益な状況に置かれていました。

 
ちなみに現在州レベルでは12の州(マサチューセッツ、コネチカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャー、ニューヨーク、ロードアイランド、デラウエア、ミネソタ、メイン、メリーランド、ワシントン州)と首都ワシントンで同性婚が合法化されています。

このニュース記事を読んで同性愛者の友人から同性愛者であるが故の苦労話を聞かされた時の事を思い出しました。一般社会から偏見や迫害を受けるため同人誌のイエローページを利用したり、生命維持装置の設置判断などの生死の判断を下すことが出来ないばかりでなく、愛する人の最期に立ち会え無いなど通常では考えられない悩み事を沢山抱えている事情を聞かされ凄い衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。

個人的な話になってしまいましたが、異性婚の夫婦に当たり前のように与えられている権利を同性婚の方々も早く得られる日が来る事を心より切望いたします。

 

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