離婚と税金(その1:離婚に関わる税務)

 

結婚式の誓いの言葉の中に「病めるときも健やかなるときも、死がふたりを分かつまで」とあるように結婚をする時に離婚を想定する人はまずいないと思いますが、近年離婚に至る夫婦が増えている傾向にあるようです。二度にわたり「同性婚と税金」、「結婚と税金」と結婚に関連する話をしてきましたが、今回は離婚にまつわる税務事項について紹介をしたいと思います。

 
財産分与

離婚調停に際し神経を使う事項の一つに財産分与が挙げられると思いますが、分割対象となる財産また分割方法は、離婚調停が行われる州が夫婦共有財産として扱う州 (Community Property State) または判例法を重視する州 (Common Law State) かによって大きく異なってきます。結婚をする前に財産分割に関する同意書または婚姻中に資産分割に関する法的な取り決めを行っていない場合には各州法に従って財産分割が行われます。

 
①  夫婦共有財産州

夫婦共有財産州では基本的に全ての財産は夫婦共有とみなされ、負債を含む全てが半分づつに分け与えられます。現在ワシントン、アリゾナ、カリフォルニア、アイダホ、ネバダ、ニューメキシコ、テキサス、ルイジアナ、とウィスコンシン州の9州が夫婦共有財産州にあたります。

 
夫婦共有財産州では婚姻期間中に購入された財産はもちろん、お互いの年収に関係なく夫婦の給料は全額共有財産となるため半分づつ分けられます。

 
気をつけていただきたいのが夫婦共有財産州で入手した財産は、判例法重視州へ引越をしてもその財産に関しては夫婦共有財産州の法律が適用されると言う点です。逆に夫婦共有財産州に持ち込まれた結婚前の個人資産は、特定が可能で結婚後も適切に分離されている場合にはそれぞれ個人の財産として帰属されます。婚姻関係にあっても結婚前の個人財産から得られた売却益より購入した財産、また相続で受取った財産などは夫婦共有財産の対象外となる場合もあります。

 
②  判例法重視州

前述の9州を除くその他の41州は判例法を重視する州となっており、裁判所が財産分与の対象となる財産や分割方法を決定します。

 
裁判所は財産分割が公平に行われるよう離婚調停を申し込んだ各夫婦の状況(結婚年数、年収、育児負担、結婚前の個人資産、負債額、離婚後の再就職の為の訓練費用、資産分割後に発生する税金)などを考慮し分割裁決を下します。場合によっては一方に全ての資産が与えられる場合もありますが、逆にまったく何も与えられない場合もあります。

 
離婚に関わる会計士の主な役割

離婚調停に関わる会計士は夫婦両者の代理人を同時に務めることも可能ですが、通常利害関係の問題が発生する為、どちらか一方の代理人を務めるのが一般的となっています。事情により両者の代理人を務める場合には、当該両者から後々問題が起こらないように事前に同意書を準備する事が義務付けられています。主な役割として会計士は次の2通りの役割を遂行いたします。

 
1. 財産の確認と算定

離婚調停に関わる会計士は離婚協議の対象となる財産や負債の確認と算定を行いますが、州によっては同上の役割を行うためには法廷会計士として登録する必要もあります。

 
2. 税金対策などの助言

会計士として最も重要な役割として挙げられるのが離婚に際する税務対策や助言となりますが、その内容については次号で詳しく紹介したいと思います。

 

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