2019年度税制の主な改正事項

 

新年明けましておめでとうございます。毎年新年と共に訪れるのが所得税の申告ですが、読者の皆様は所得税申告の準備をいかがお進めでしょうか。物価指数やインフレーションの変動に伴い毎年調整が行われる税制ですが、今月は恒例となりました2019年度申告に関する主な税制調整事項を紹介したいと思います。

 
人的控除 (Personal Exemption)
昨年度に施行が開始された税制改革により人的控除が撤廃されましたが、撤廃期限が2025年の課税年度までのため引き続き2019年度も人的控除を取る事が出来ません。仮に人的控除が有効だった場合、一人当たり$4,200 の控除が取る事が出来ました。

 
標準控除 (Standard Deduction)
標準控除の金額が倍増され、独身者の場合$12,000から$12,200、夫婦合算の場合 $24,000から$24,400、世帯主の場合 $18,000から$18,350 へとそれぞれ増額されます。

 
自動車マイレージ控除 (Standard Mileage Rate)
2019年度の自動車のマイレージ控除額が1マイルに付き事業用途で54.5セントから58セント、通院・医療用途で18セントから20セントへそれぞれ増額され、慈善事業用途は据え置きの14セントとなります。

 
児童税額控除 (Child Tax Credit)
児童税額控除額に変更は無く、金額は据え置きの$2,000 となります。児童税額控除額を受けるためには諸条件を満たすと共に対象となる扶養家族が、社会保障番号 (Social Security Number) を持っている必要があります。社会保障番号を持たない扶養家族に対しては、納税者番号 (Individual Taxpayer Identification Number) を持ち且つ諸条件を満たす場合に限り一人に付き $500 の税額控除が認められています。

 
代替ミニマム税基礎控除 (AMT Exemption)
あまり知られていませんが税金の計算方法には二通りあり、納税者は通常の計算方法で算出された税金もしくは代替ミニマム計算方法で算出された税金のどちらか多い方の金額を支払う仕組みになっています。後者の控除額とは代替ミニマム計算方法で算出された税金の控除額の事を指します。2019年度の代替ミニマム税基礎控除額は、独身者の場合 $70,300から$71,700、夫婦合算の場合$109,400から$111,700、そして夫婦個別申告の場合 $54,700から$55,850へとそれそれぞれ増額されます。

 
オバマケア罰則金
医療保険の加入を怠った納税者に対して徴収される Shared-Responsibility Payment と呼ばれる罰則金が、個人納税者に限り2019年度からゼロとなります。雇用主に対する罰則規定は引き続き適用されますので留意が必要です。

 
所得税の申告期日
2019年度個人所得税の申告期日は例年通り4月15日となります。もし万が一申告期日までに提出が間に合わないようであれば、Form 4868 を提出し延長申告の手続きを行えば最長6ヶ月の延長が認められます。ただし延長が認められるのは申告書の提出に限られているため、追徴金が発生する場合には申告期日までに納付する必要がありますのでご注意ください。

 

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