届け先不明金(2023年改訂版)

過去に数回投稿した「届け先不明金」の取り扱いが変更されましたので、今月は改訂版として情報のアップデートを共有させて頂きます。

届け先不明金

Unclaimed Property と呼ばれる届け先不明金(以下、「不明金」と呼ぶ。)は一般的に「忘れ去られたお金」と位置付けられており、持ち主が現れるまで州政府の管理下に置かれている金品などの所有物の事を指します。この税法はテキサス州に限らず他の州でも実施されているプログラムで、テキサス州では1962年に開始されました。近年このプログラムの認知度が上がり2022年には約3.1億ドル相当の不明金が持ち主に返金されたようですが、未だに約70億ドル近い資産(不動産を除く)がテキサス州政府の管理下に置かれているそうです。

届け先不明金の主な原因は持ち主の転居が理由として挙げられ、その結果、保証金(デポジット)などを預かっている事業主が返金手段を失う事によって発生します。

不明金の主な理由

  • 長い間現金化されなかったチェック
  • アパートなどの保証金(デポジット)の返還
  • 光熱費解約後の還付金
  • 閉口された銀行口座の残高
  • 貸金庫に預けっぱなしの資産
  • 保険会社からの給付金(保険金)
  • 裁判判決による給付金
  • 配当、印税や鉱物資源の使用料

法律によって定められた期間を超す資産に対しテキサス州は一時的に預かる権利を持っており、放棄認定期限を超えた場合(通常1年から5年)、保険会社、銀行、公共事業会社やその他の事業主は、州政府に対しその資産を引き渡さなければなりません。あくまで持ち主が現れるまで一時的に預かる管理人という役割を担うため、管理下に置かれた資産は州政府の所有物にはなりません。また不明金の管理には時効が設定されていないため、所有者が名乗り出るまで半永久的にテキサス州政府に管理される事になります。

放棄認定期限

所有物 期間
  給与チェック   1年
  銀行口座・CD等   3年
  マネー・オーダー   3年
  貸金庫内の所有物   5年
  トラベラーズ・チェック   15年
  その他   3年

不明金の請求

これら不明金の情報は一般公開されており、次のいずれかの手段で検索することが可能で、オンラインの場合、名前を入力するだけで簡単に検索することが出来ます。

検索手段 問合せ先
  オンライン   https://claimittexas.org/app/claim-search
  電子メール   unclaimed.property@cpa.texas.gov
  電話   800-321-2274

請求方法はいたって簡単で、ウエブ上で検出した不明金を選択し、オンライン上で必要情報を入力する事で請求手続きを完了する事が出来ます。返金まで通常3、4ヶ月かかるそうですが、次のリンクより「クレーム番号」を入力する事で手続きの進行状況を確認する事ができます。

請求費用

不明金の検索や問い合わせに対して費用は掛かりませんが、$100ドルを超す返金請求に対して手数料が差し引かれる場合があります。専門業者に請求手続きを依頼する場合、その業者はテキサス州に登録している必要があります。専門業者に対して支払う手数料は、回収できた金額の上限10パーセントと法律によって定められています。

受け取る金額にそれぞれ差はありますが、返金額は一件につき平均千ドルとなっているようです。なかには数万ドルの返金もあるようですが、1996年にダラス在住の持ち主に支払われた430万ドルが今までで一番高額な返金額となっているようです。いろは読者の皆様も一度検索されてみてはいかがでしょうか。

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