新型コロナウイルス救済策(その⑤)

8月 3, 2020

 

追加救済策が議会で審議されている最中ですが、共和党と民主党の政策に大きな隔たりがあるようで一向に合意への目途が立たない状況となっているようです。追加支援策の紹介は実際に法制化された後に紹介をさせて頂きますので、今月は引き続き今年の3月に施行された救援策に関連する情報を共有したいと思います。
 

一時給付金の受給期限

米財務省の発表によると2020年7月末時点で約1億6,000万件、金額にして総額 2,700 億ドルにも上る一時給付金が支給されたようです。一時給付金の受給資格はシリーズ①でもお伝えしましたが、受給資格がある方は一人当たり$1,200 (夫婦合算は $2,400) の一時給付金を受け取る事が出来ます。しかしながら、受給資格があるにも関わらず未だに支給を受けていない方が大勢いるようで、IRSは該当する方へ10月15日までに指定のリンク先から受給者情報を提出するよう催促をしています。期日を超した場合には受給できなくなりますので、心当たりのある方は早めに必要情報を提出される事をお勧めいたします。

ちなみに支給が完了した1億6,000万件の支給方法の振り分けは、1億2,000万件が銀行振込、3,500万件が小切手郵送、500万件がプリペイドカード発行となっているようです。

 
一時給付金の支給エラー

困窮に陥った被災者の救済を急ぐあまり約120万件、金額にして総額 $17億ドルの一時給付金が既に亡くなっている方に支給されたようです。支給エラーは5月の内部調査で判明したようで、現金化されていない小切手また未使用のプリペイドカードは順次使用取り消し作業を進めるようです。

今回の支給エラーが発生した背景には、納税者情報を管理するIRSと死亡情報を含む老齢年金を管理する社会保障庁 (Social Security Administration) と情報の不一致が原因のようです。実際にはIRSは社会保障庁が管理している死亡記録にアクセスする事は出来るようですが、今回一時給付金発行の管理を行った財務省の管轄部署は、同記録にアクセスが出来なかったようです。また救済策として支給された一時給付金は、納税記録を元に処理されたため、受給資格を満たす方に対して支給を迅速に行う必要があったようです。

 
支給エラーに対する返金

処理エラーにより一時給付金が誤って支給された方の家族や親族に対してIRSは返金を求めています。現金化されずに小切手が手元に残っている場合、小切手の裏に「VOID」と書き添え小切手をIRSへ返還するよう協力を呼びかけています。既に小切手を現金化された方、または銀行振込で受給された方に対しては、速やかに同額の小切手またはマネーオーダーをIRS宛に送付するよう催促しています。またその際に、メモ欄に2020EIPと亡くなられた方の社会保障番号 (Social Security Number) または納税者番号 (Individual Taxpayer Identification Number) を記入する必要があります。

ただ現時点で実際に返金をする法的根拠は確立されていないようで、且つ返金を求めたIRS側も返金を拒んだ者に対して罰則規定を発表していないようです。また2008年の金融破綻危機の際にも同様なエラー(死亡者に対する給付)が発生していたにもかかわらず、その時には返金を求めなかったため、今回の返金措置に疑問を投げかけている専門家もいるようです。

刑務所に服役して社会的に刑罰を受けている方は、そもそも受給資格が無いとIRSが判断をしているため、一時給付金を返金するよう求められています。ただし、前述の事例同様に現時点で返金をする法的根拠や罰則規定は確立されていないようです。