雇用持続税額控除

6月 17, 2021

 

先月紹介させて頂きました補助金は対象が飲食業種に限定されていたため、その他の業種に携わる方々は利用する事が出来ませんでした。今月は、業種に関係なく利用できる税額控除について紹介をさせて頂きます。

 
雇用持続税額控除
 
雇用持続税額控除 (Employee Retention Credit) は、去年の3月に法制化されたコロナウイルス救済策 The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act of 2020(俗称 CARES Act)の一部として施行されました。周知のコロナ救済策では、直接資金援助が受けられる一時給付金や中小企業を対象とした補助金(PPP ローン)などに話題が集中したため、間接的に恩恵を受けられる雇用持続税額控除はそれ程注目されませんでした。しかしながら、同制度を有効活用する事でPPP同様に金銭的恩恵を受ける事が出来ますので、十分利用価値が高い救済策と言えるでしょう。

同救済策は2020年12月31日までに支払われた給与が対象となっていましたが、バイデン政権のもと施行された追加救済策 American Rescue Plan Act of 2021 により対応期間が2021年度末まで延長され、従業員一人当たり四半期ごとの税額控除限度額も $5,000 から $7,000 へ引き上げられました。条件を満たす雇用主は、過去に遡って給与税の修正申告を行う事で雇用持続税額控除を還付請求する事が可能となります。(時効は申告日から数えて3年以内)

 
条件と対象となる給与
 
次の何れかの条件を満たす雇用主は、雇用持続税額控除を申請する事が出来ます。

   ① 政府命令によって営利活動が一部または完全に制限された場合、または
   ② 売上が極端に減少した場合

条件①の政府緊急事態宣言 (Mandatory Shutdown Order) 発令期間中でもテレワーク(在宅勤務)などで勤務が可能な業態は、条件を満たさない可能性がありますので注意が必要です。また政府から必要不可欠なビジネス (Essential Business) として認定された業態も対象外となります。

条件②の売上減少の判断基準は、前年同四半期と比較して売上額が 50% 以上減少している事が条件となります。(2021年は20% 以上減少で条件を満たす)

雇用持続税額控除の対象となる給与は、2020年3月13日から2021年12月31日の期間中に支払われた給与、福利厚生の一部として提供された会社負担分の健康保険料や企業年金積立出資金 (401K) なども含まれます。また非営利団体の職員に対して支払われた給与なども対象となります。

 
【主な概要】

  • 2020年3月13日から2021年12月31日の期間中に支払われた給与が対象
  • 会社負担分の給与税(社会保険税・医療保険税)を還付請求できる
  • 給与税額より雇用持続税額控除限度額が大きい場合、差額を追加還付可能
  • 会社の規模に関係なく利用する事が出来る
  • 非営利団体の職員(従業員)に対して支払った給与も対象となる

 
【注意点】

  • 2019年実績で100人以上の従業員を雇用している場合、対象給与に制限あり
  • 月平均 30 時間以上勤務した者を従業員としカウントする
  • PPP救済金を給与として充当した場合、充当分は併用できない
  • レストラン再生補助金を給与として充当した場合、充当分は併用できない
  • 個人事業主が自身、またはその家族の給与として支払った分は対象外
  • テキサス州は2021年3月10日に制限解除されたため、以降の給与は対象外
  • (ただし、制限解除日以降も売上減少条件で該当する事が可能)

 
雇用持続税額控除に該当する雇用主は、2020年度の給与税を修正申告する事で従業員一人当たり年間最大 $5,000 の還付請求を行う事が可能です。2021年度に至っては、従業員一人当たり年間最大 $28,000 ($7,000 x 四半期) の還付請求を行う事が可能となりますので、ご利用の給与サービス会社に確認する事をお勧めします。