米国税金 In & Out

 

3篇にわたり米国税金の歴史をご紹介させて頂きましたが、今回はどのような税金が徴収され、どのように税金が使われているのか、税金 In & Outに触れてみたいと思います。

  • 連邦政府の収入源

現在の連邦政府の収入源は、約80%が個人所得税と給与税、約12%が法人所得税、残りが消費税、贈与税、遺産税、関税など、からなっています。この内訳はここ半世紀の間に大きく変わり、給与税の率が上がり、法人税の率が下がっています(図表1)。1950年当初は全体の3分の1を法人税が占めていましたが、現在では6分の1まで下がっています。一方、給与税の比率は、1950年当初は全体の10分の1でしたが、現在では3分の1まで上がっています。では、実際の連邦政府の歳入はどれぐらいなのでしょうか。2008年のデータ-ですが、歳入は約2.5兆ドルで、これは米国GDPの17.7%にあたります。

  • 連邦政府の支出先

現在の連邦政府の支出先は、50%強が法律で規定された社会保障給付などの義務的支出で、40%弱が国家予算となり、残りは国債の利払いとなります(図表2)。義務的支出は1962年に全体の4分の1だったのに対し、現在では全体の半分と約2倍になっています。一方、国家予算に使われる金額は1962年に全体の3分の2だったのに対し、現在では5分の3まで下がっています。

また、国家予算の約半分は国防へ宛てがわれ、残りの殆どは、農業援助や、国道建設、連邦裁判費用などに使われます。そして全体の3%弱が国際援助に宛てがわれています。

義務的支出の内訳は、Social Securityが全体の約34%、Medicareが約25%、Medicaidが約13%となっています。残りの28%は低所得者、失業者、障害者などへの援助プログラムで使われています。

  • 連邦・州・市 の税収比較

では、連邦と比較して、州、市政府はどれくらいの収入があるのでしょうか。連邦、州、市、全ての政府の収入を合わせると約5.2兆ドルにも上ります。この内、連邦政府の収入は全体の約半分を擁し、州が約30%、市が約20%となります。また、収入の一部は、連邦から州または市へ、州から市へと分配が行われます。

連邦は、約5分の1の連邦収入を州または市へ分配しています。この分配は殆どが市ではなく州へと渡りますが、連邦から州への分配は、その殆どが州から市へと配布されます。市の収入は、それらの分配を含むと、政府全体の収入の約30%を占めることになります(図表3)。

  • 他国との比較

さて、米国の税収は、他の先進国と比べてどうなのでしょうか?米国の連邦法人所得税率は国際的にも一二を争うほどの高いといわれていますが、対GDP のすべての税収(*)の比率はGDPの28%と先進国の中では低い分類に入ります((*)連邦、州、市町村の、法人、個人の所得税、消費税、固定資産税などすべての税収)。2006年の資料ですが、米国よりも対GDP率が低いとされる国は、メキシコ、トルコ、韓国、日本だけだそうです。一方、多くのヨーロッパの国は対GDPの税収比率が40%を超え、ゆえに政府からの国民へのサービスが充実していると一般的に言われています。高い税金を払い政府からの手厚い援助を期待するのか、税金を少なく払い自分で自分の面倒をみるのか、難しいところですね。

 

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