接待・交際費(その②)

6月 3, 2017

 

先月号では主に社外向けの接待および交際費の取り扱いについて話をしましたので、今月は社内向けの控除ルールについて話をしたいと思います。

 
社内向けイベント

新商品の発表、会社の業績発表、優秀な成績を収めた社員を表彰、または社員同士で単純に楽しむなど社内向けイベントの活用方法はいろいろ挙げられます。開催目的が何れにせよ、その経費に対する税務上の取り扱いをしっかり理解する事は重要です。

控除額に制限が設けられている社外向け経費に対し、従業員などを対象とした社内向けのイベントなどに捻出する経費は条件を満たせば全額控除が認められています。クリスマスパーティーや忘年会などのイベントを開催し、その費用を全額控除扱いとするためには IRS が規定した条件を満たす必要があります。

イベントの費用が全額控除を受けるためには、まず社員全員をイベントに招待する必要があります。幹部など一部の社員のみを対象とした場合には、全額控除のイベントとしては認められません。また参加者は従業員とその配偶者またはパートナーに限られます。加えてイベントにかかる費用も妥当である必要があります。何をもって「妥当」と判断するかは主観的であるため一概に言い表せませんが、会社の規模・売上、従業員の数、業種・産業、同業他社のイベントと比較する事である程度判断は行えるでしょう。極端に言えば IRS が判断して「浪費」と認識しなければ良いという事になります。また証拠資料としてイベントに関連する書類(参加者リストや領収証など)を管理する事も重要となります。

 
[ 主な条件 ]

  1. 社員全員に対して招待をする事
  2. 参加者は従業員と配偶者(またはパートナー)に限る事
  3. イベント費用が理にかなった妥当な金額内である事(浪費でない事)
  4. 記録(参加者リスト、領収証など)の管理を行う事

 
社内イベントにお客様または取引先等の部外者(従業員以外)の方が一緒に参加した場合、「社外向けルール」と「社内向けルール」を同時に適用し、控除額の判断を行う必要があります。

例えば会社の忘年会に100名参加し、合計 $1,000 (一人当たり$100)の費用がかかったと仮定します。参加者の内80名が従業員とその配偶者で、残りの20名が取引先だった場合、控除として認められる金額は $900 となります。従業員にかかる費用は全額 (100%) 控除が認められているのに対し、取引先にかかった費用は「交際費」扱いとなるため、直接かかった費用の半額 (50%) しか控除が認められていません。加えて出費が「交際費」として扱われるためには、同時に仕事が絡んでいる必要もあります。

 
贈与品・ギフト

クリスマスパーティーやその他の社内イベントで従業員にギフトを贈る場合、金額や贈り物によって税法上の取り扱いが異なりますので注意をする必要があります。ギフトを贈る側が経費計上でき、同時に受取る側も給与認識をしなくても良い条件として、贈り物の金銭的価値が福利厚生 (De Minimis Fringe Benefits) の一部として認められている範囲以内である事が条件となります。

現金やギフト券などを贈り物として贈った場合、受け取った側は同額を給与の一部として認識する必要があります。現金はまだしも、ギフト券が給与の一部として取り扱われ、その結果想定外の税金が増えてしまえば受け取る側も困る事でしょう。良かれと思った行為が逆効果になるケースがありますので税務上のルールを一度確認してみても良いでしょう。