食費の一時変更

7月 4, 2021

 

新型コロナウイルス感染拡大に伴いあらゆる活動が制限されましたが、ワクチン接種が進むにつれ私達の日常生活もコロナ禍以前の状態に戻りつつあります。コロナ禍により多大なダメージを受けた経済活動も政府の支援により回復の兆しを見せています。一時給付金や補助金をはじめとする救済策により多くの業種がその恩恵を受けたと思われます。今月は、飲食業界の救済を目的に導入された一時救済措置について紹介をしたいと思います。

 
現行の取り扱い

お客様など取引先の接待を伴う会食の場合、最大でかかった費用の50%を損金算入する事が認められています。ただし損金算入として取り扱われるためには諸条件を満たす必要があり、主な条件として接待がビジネスを目的としたものであり、かつお客様を帯同している事が必要となります。商談は必ずしも接待中に行われる必要はありませんが、会食は直前または直後に行われる必要があります。また証拠資料として接待の目的、接待費用、日付、場所、参加者などの情報の記録を管理する事も義務付けられています。

従業員に対して提供された食費なども同じルールが適用されるため、損金算入が認められている金額は、最大かかった費用の50%までとなっています。

 
一時変更の取り扱い

飲食業種の救済を目的に会食また食費に対する損金算入ルールが一時的に変更され、損金算入の上限が現行の 50% から100% に引き上げられました。対象期間は、2021年1月1日から2022年12月31日までに発生した費用となり、持ち帰りを含めた店内外での飲食を目的とした食事を提供するレストランで購入した食べ物に限られています。

梱包済み食料品の販売を主とするコンビニエンス・ストアやスーパーマーケットなどは対象外となります。また酒屋、薬局、ニューススタンドなどの露店、キヨスクや自動販売機で販売されている食べ物も対象外となります。社内食堂なども対象外となっており、実際の運営を第三者などに委託している場合も例外となりません。ただし、条件を満たす飲食費は引き続き最大かかった費用の 50% まで損金算入する事が可能です。

 
交際費について

食事を除く接待のみの費用はたとえビジネス(商談)を目的とされても損金算入が認められません。例としてスポーツ観戦や各種イベントの参加費、ゴルフのラウンド費用、コンサートなどの観劇費用、レクリエーション施設利用費、会員費など主に娯楽を目的とした接待費が挙げられます。ただし、請求書に食費が個別記載されている、または食費のみ個別で購入した場合、かかった費用の50% を損金算入する事が認められています。

その為、対象となる期間中にお客様を接待したイベントで商談を行い、対象となる業者(レストラン)から飲食物を購入し、且つ食費が個別請求または個別購入した場合、食費に関して全額損金算入する事ができます。

 

費用の内容 現行の取扱い 一時変更の取扱い
  会食費   費用の50%まで   全額損金算入可
  出張中の食費   費用の50%まで   全額損金算入可
  社内での食費
(スナック、軽食、飲料等)
  費用の50%まで   全額損金算入可
  会議や残業中の食費   費用の50%まで   全額損金算入可
  交際費   損金算入不可   変更なし
  交際費 (食費個別請求)   費用の50%まで
(食費のみ)
  全額損金算入可
(食費のみ)

 
食費に対する今回の一時変更措置は、飲食業種の救済を目的に導入されましたが、経費を捻出する側も該当する食費や会食費などを全額損金算入する事が可能なため、納税者として互いに有利な措置と言えるでしょう。

食事を提供する側のレストラン関係者は、消費者に対してこの特別措置を前面にアピールする事で売上向上に繋げる事が出来るでしょう。加えて消費者側もこの機会を利用して従業員に対して手厚い待遇を行い、顧客に対しては接待を通じて良好な関係を築く事が出来るでしょう。