オバマケアの罰則規定

 

いよいよ来月の1日から医療保険未加入者に対して罰則金が発生・加算されますが、今月は罰則規定の概要とその算出方法について話をしたいと思います。

 
医療保険加入の免除

 
今年の1月から実施されたオバマケア(正式名称The Patient Protection and Affordable Care Act of 2010)により医療保険への加入が義務付けられましたが、次の条件の何れかを満たす者は医療保険への強制加入が免除されます。

 
[ 加入免除の条件 ]

  • 宗教上の理由により医療を受ける事を禁じられている者
  • Health Care Sharing Ministryに加入している者
  • ネイティブ・アメリカンの一族として認定されている者
  • 刑務所に服役中の者
  • 米国非居住者、違法滞在者
  • 収入が申告義務所得額を下回る者
  • 金銭的に余裕が無い者(医療保険料が収入の8%を上回る場合)
  • 事情により一時的に財政難に陥っている者(自己破産など)

 
罰則規定について

 
アメリカ市民、永住権保持者はもちろんの事、国籍に関係なく米国税法上居住者とみなされる人々全員が加入義務の対象となりますが、次の条件を満たす場合には例外として罰則金の対象外となります。

 
[ 罰則金対象外の条件 ]

  • 無保険期間が3ヶ月以下の場合
  • 330日以上海外に在住のアメリカ市民
  • 330日以上海外に在住の永住権保持者
  • 米国領土(グアム、プエルトリコ、バージン諸島など)の居住者

 
罰則金の算出方法

 
医療保険への加入を怠った者に対しては、年間一人当たり$95(18歳以下は半額)または控除額を上回る金額の1%の何れか大きい方が罰則金として科せられます。また罰則金の金額と利率は2015年には $325 と2%、2016年には $695 と2.5%にそれぞれ引き上げられます。

 
[ 罰則金の例題 ]

年収 $80,000の4人家族(18歳以下の子供2名)が夫婦合算申告を行うと仮定した場合、 $285 または $597 の何れか大きい方が科せられますので、このケースの場合罰則金は$597 となります。

 
   $285 = ($95 x 2人) + ($47.50 x 2人)
   $597 = ($80,000 – $20,300) x 1%

   控除額 $20,300 = (標準控除 $12,400 + 人的控除 $3,950 x 2人)   
 

 
雇用主に対する罰則規定

 
雇用主に対する罰則規定の適用は2年延期され、今のところ実施は2016年からとなっています。また50人以下の従業員を持つ雇用主は自動的にこの罰則規定の対象外となります。

 

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