最低賃金

 

先月、最低賃金を $10.10 に引き上げる法案が上院議会で棄却されましたが、オバマ政権は同法案の再考を議会に求めており、未だ最低賃金の是非について多くの論議が交わされています。直接税金には関係ありませんが、良い機会ですので今月は最低賃金について話をしたいと思います。

 
最近の動向

今年2月の大統領行政命令により2015年から連邦政府と契約を交わした業者に限り最低賃金が現行の $7.25 から $10.10 に引き上げられる事が決定されました。同法案の決定より、他の最低賃金引き上げの気運が高まり今回の法案提出となりましたが、共和党からは今年11月の中間選挙へ向けてオバマ政権の単なる票集めのパフォーマンスだと非難を浴びています。最低賃金の引き上げを推進するオバマ政権は、賃金を上げる事により生産性の向上、離職率の低下などの経済効果を得られるだけでなく、同時に低所得層を救済する倫理的行動だと訴えており、両者の意見が真っ向から対立している状況となっています。

 
最低賃金について

現在、連邦政府で最低賃金が $7.25 と定められていますが、各州政府は独自の最低賃金を設定する事が認められているため、最低賃金の設定金額は州により異なっています。労働省によると現在20州が連邦政府で定められた金額を最低賃金として採用しており、ワシントンD. C. を含む21州がそれ以上、4州がそれ以下、残る5州が最低賃金を設定していません。また最低賃金が最も高く設定されている州はワシントン州の $9.32 で、一番低い州はジョージア州とワイオミング州の $5.15 となっています。ちなみに前回最低賃金が引き上げられたのは第一期オバマ政権が発足した2009年となっています。

 
テキサスでの最低賃金

テキサス州は連邦政府の最低賃金を採用しているため $7.25 となっていますが、サービス業(飲食店など)に就業する労働者の最低賃金は $2.13 と設定されています。この最低賃金の差別化は連邦政府で定められており、“Tipped Employee” (一ヶ月に $30 以上のチップを得る労働者の事を指す)は、チップから大部分の収入が得られるであろうと言う理由から一般の労働者よりも低い最低賃金で設定されているようです。

 
チップシェア

あまり知られていない事ですが、飲食業ではチップシェアと呼ばれる業界特有の習慣があり、ウエイターまたはウエイトレスは受取ったチップの一部をバスボーイやバーテンダーなど間接的に食事に来た人のサポートを行う業職とシェアする事が一般的となっています。つまりチップとして $10 受取ったとしても全額を受取るという事はあまり無いようです。

 
著者あとがき

個人的な話になりますが10年以上前にウエイターとしてアルバイトに応募した時にお店のオーナーから時給は $2.13 だと告げられ、不当な使いを受けたと勘違いしオーナーに対して怒りを覚えた事を今でも鮮明に覚えています。後日、時給 $2.13 が正当な金額だと知る事になるのですが、それ以来チップに対する認識が大きく変わったのは言うまでもありません。払う側からしてみればたかがチップと思うような事かもしれませんが、チップで生計を立てている側からしてみればれっきとした収入源なのです。

 
経験からウエイターの立場を理解しているため、気の利かない悪いサービスに対してはクレームの意味を込めて低めにチップを置きますが、逆に気持ちの良いサービスを受けた時はサービスに対する満足感と感謝の気持ちを込めて少し多めにチップを置くように心がけています。

 

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