税金の無駄遣い

 

先月号で買い物袋に課税される環境税について話をしましたが、偶然にも6月3日の市議会で行われた投票の結果、賛成多数(10対4)により 6月8日から環境税が撤廃される事になりました。そこで今月は、撤廃に至るまでの経緯と金銭的な負担について話をしたいと思います。

 
導入決定

一年以上の議論の末、環境税は、環境保護とゴミのポイ捨てを減らす事を目的として2014年3月26日に導入が可決されました。当初の法案では全てのプラスチック袋が対象となっており、また環境税も1袋に付き10セントが課税される内容となっていましたが、小売業者の猛反発を受けて課税額および対象枠に変更が行われた妥協案が採用される形となりました。

 
実施、訴訟、そして撤廃

賛否両論の中、1月1日に実施されたこの条例は規制対象の内容がきめ細かく、また同時に適用免除項目が多数設定されていたため、内容をはっきり把握していない買い物客はもちろんの事、お店のレジ係りまで混乱する事態を招きました。また一部の納税者、特にビニール袋生産業者から強い抵抗を受け、ビニール袋生産業4社から訴えられたのは記憶に新しいのではないでしょうか。

テキサス州法 (Solid Waste Disposal Act) に違反している可能性、また訴訟に勝てないと見越したダラス市議員は先月上旬、条例廃止の是非を問う決議を行い、賛成多数で撤廃が決まりました。

 
導入にかかった費用

条例導入に際し最も金銭的負担を強いられたのは言うまでも無く小売業者で、環境税を徴収できるよう決済システムを変更する必要があったのは説明するまでもありません。あるヨーロッパ系列のお店では、決済システムがヨーロッパの本社でしか変更できないため、本社を通して対応せざる終えなかったと、うんざり気味で話していた店員の印象は今でもはっきり記憶しています。

また実際にどのくらいの金額が予算として組まれたかは把握していませんが、当初の計画通だと条例の取締りと市民教育のために追加で12人ほど新たにダラス市職員を雇う必要があり、年間約 25 万ドルの追加経費がかかると予想されていたそうです。

 
その他の無駄使い

以前に「硬貨の生産を見直す必要性」という見出しの記事を目にし、何の事かと思いつつ記事を読んでみると次の内容が記されていました。なんと1セントと5セント硬貨は、生産に額面以上の費用がかかるそうで、硬貨の原材料を変更または使用する材料の割合を見直す必要があるとの事でした。

原材料価格がコスト高の主な理由となっているそうですが、硬貨別に比較をしてみると、1セントは亜鉛を主原料とし、仕上げに銅めっきでコーティングされ、一枚に付き1.7セントの費用がかかるそうです。5セント硬貨のコスト効率は1セント以上に悪く、銅を主原料としているため(銅 75%とニッケル25%)一枚に付き8セントの費用がかかっているそうです。(2014年データ)

また最近あまり見かけなくなりましたが、市場に浸透できなかった 1ドル硬貨の生産を2011年で打切り(収集家用の記念硬貨は引き続き少量生産している)、年間約 5,000 万ドルの出費を削減したそうです。現在、発行された 1ドル硬貨の半分以上(金額にして約 14 億ドル相当)が、連邦準備銀行の金庫に保管されているようですが、それら硬貨の保管にも莫大な費用(税金)がかかっているのは言うまでもありません。

税金は納税者が社会貢献できる手段の一つなので、収めた税金をもう少し有効活用してもらいたいものです。

 

現在コメントは受け付けていません。