技術の発展や社会環境の変化に伴い人々の働き方も大きく変わりました。時間や地理など物理的な条件に捕らわれること無く、自分のスケジュールに合ったスタイルで自由に仕事が出来るようになりました。在宅勤務や各国を繋げて行われるグローバル会議も多くなってきていることからも容易に確認が行えます。逆に今までと変わらず会社へ出社し勤務する方もいれば、各地を飛び回って働いている方もいるかと思います。今月は、出張者と密接な関係にある日当について話をしたいと思います。
出張の定義
出張とは普段生活をしている場所、あるいは主たる居住地を離れ宿泊や休息を必要とする業務上の旅行のことを指します。期間としては1回以上の宿泊をすることが必要ですが、居住地域を離れかつ通常の勤務時間を超す業務を行う場合は、宿泊を伴わなくても出張として取り扱われます。
出張に関連して発生する諸々の費用は経費として処理される事が一般的となっています。主な経費として旅費、交通費、宿泊費や食費などが挙げられ、それぞれの会社が社内規定に沿って費用を負担されていると思われます。実費精算をする会社もあれば定額の日当を支給している会社もいる事でしょう。
日当 (Per Diem)
出張が多い方はもちろんの事、出張が少ない方も Per Diem という言葉を耳にしたことはあると思われます。Per Diem とはラテン語で「毎日」と訳され、通常出張中の手当金額の事を意味します。日当として取り扱われるためには連邦政府の規定する定額の範囲内で日当を支給し、且つ最低限の報告を行う事が義務付けられています。明細は不要ですが日当を受取った従業員は会社に対し (1) 出張の理由、(2) 場所と日付、および (3) レシートを報告する必要があります。従業員が報告を怠る、または定額以上の日当を受取った場合には相当額を給与の一部として認識する必要があります。
日当の対象範囲と上限額
日当方式を使うことが認められている費用は宿泊費、食事代およびチップなどに限ららており、旅費や交通費には利用する事は出来ません。日当には2種類あり「宿泊費と食事代を含めた日当」と「食事代のみの日当」とに分けられますが、自営業の方は後者のみに限られています。
一般的に「食事代のみ日当」が広く採用されていると思われますが、その対象範囲と上限額が出張先の地域別また時期によって異なる事はあまり知られていません。食事代のみ日当は食事代の他に宿泊先でのルームサービス、洗濯、クリーニング代、チップなどの支払いにも利用する事が認められており、上限額は出張先の物価によって異なります。日当の上限設定は大きく分けて3地域に区分され、それぞれ次の政府機関が管理を行っています。
[ 日当上限の管轄 ]
- 調達庁 (General Ser. Admin.) がアラスカ、ハワイを除く48州を管轄
- 国防省 (Dept. of Defense) がアラスカ、ハワイと米国領土を管轄
- 国務省 (Dept. of State) が (1) と (2) 以外の地域(外国)を管轄
日当の上限額については調達庁のウエブサイトで都市名または郵便番号を入力する事で簡単に検索する事ができます。頻繁に出張をされる方はアプリをダウンロードして検索するとより便利でしょう。
ちなみにサイトで検索をしたところ「食事代のみ日当」の上限額がダラスは $64、プレーノは $59 に設定されていました。(2017年4月1日時点)
[ Per Diem の概要 ]
- 日当は2種類ある
- 支給額は定額内で報告をする必要がある
- 上限を超す金額に関しては給与認識する必要がある
- 報告を怠った場合全額給与認識する必要がある
- 上限額は出張先の地域によりそれぞれ異なる