住宅にまつわる税務(その②)

 

先月号では主にマイホームに関する税務事項について話をしましたので、今月はマイホームと投資物件に対するルールの比較検証を行いたいと思います。

 
主な相違点

購入目的や購入手段により得られる節税効果が大きく異なる点は先月号でも触れましたが、次の事項がマイホームと投資物件の主な税務上の相違点に挙げられます。取り扱いの違いをメリットと捉えるか、またはデメリットと捉えるかは物件の購入目的によって変わってくる事でしょう。

 
①  控除範囲(経費計上可能な範囲)

控除できる項目が限られているマイホーム購入に対して、投資物件として購入した不動産は広範囲で直接また間接的な費用の控除が認められています。

投資物件として不動産を購入した場合、マイホームの控除として認められている固定資産税と支払利子に加え管理費、修繕費、保険料や光熱費など物件を維持する為に発生する直接費用の他に減価償却などの間接費用も控除する事が認めれれています。毎年の減価償却額は、新築・中古物件、建物の種類(木造、鉄骨等)に関係無く耐用年数を居住用物件は 27.5年 、商業物件は 39年 として取り扱い、定額法 (Straight-Line) により算出します。

 
②  賃貸所得の申告

給与などの所得同様、投資物件から得られた収入は課税対象所得となるため所得税の申告を行う事が義務付けられています。両者共に課税対象となる点では一致していますが「所得の源泉地」の認識方法が異なるため、所得税の申告基準に大きな影響を及ぼします。給与や賞与など労働に対する対価(給料)の源泉地は勤務地(役務提供地)によって決定されますが、不動産から得られる賃貸料などの収入は不動産の「所在地」をもって決定されます。その為、カリフォルニア州に所有の不動産物件から得られる収入の源泉地はカリフォルニア州となり、テキサス州に所有の不動産物件から得られる収入はテキサス州が源泉地となります。

幸いテキサス州では個人所得税が課税されていませんので、給与所得を含む不動産収入の申告も行う必要はありません。ただし、不動産の源泉地は不動産の「所在地」をもって決定されるため、所得税を課税する州に不動産を所有していた場合、その州に対して申告を行う必要があります。

例えばテキサス州在住でテキサス州勤務の方がカリフォルニア州に不動産物件を所有していた場合、不動産収入に対してテキサス州に所得税を申告する必要はありませんが、不動産収入のみに対してカリフォルニア州に申告を行う義務が発生します。

 
③  譲渡益に対する取り扱い

不動産の譲渡益に対する取り扱いもマイホームと投資物件で大きく異なります。条件を満たすマイホーム売却の場合、最大 $250,000 (夫婦合算の場合 $500,000 )の譲渡益を非課税扱いする事が認めれれています。ここで留意して頂きたいのが非課税扱いとなる金額が、不動産の売値に対してではなく購入価格を差し引いた差額(譲渡益)に対する金額となるため、よほどバブル景気の影響を受けていない限り不動産を売却する事で税金が発生する事はありません。

投資物件売却に対する非課税措置は無く、また不動産の保有年数が一年未満の場合、短期譲渡益 (Short-Term Capital Gain) として取り扱われるため、通常税率より高めの税率がかけられる仕組みになっています。

以上、投資物件に関する税法は少々複雑になりますので、購入または売却をされる前に専門家に相談される事をお勧めいたします。

 

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