届け先不明金(改訂版)

以前に投稿させて頂いた「届け先不明金」の取り扱いが変更されましたので、今月は改訂版として情報のアップデートを共有させて頂きます。

届け先不明金

“Unclaimed Property” と呼ばれる届け先不明金(以下、「不明金」と呼ぶ。)は一般的に「忘れ去られたお金」と位置付けられており、持ち主が現れるまで州政府の管理下に置かれている金品などの所有物の事を指します。この税法はテキサス州に限らず他の州でも実施されているプログラムで、テキサス州では1963年に開始されました。近年このプログラムの認知度が上がり2016年度には約2.7億ドルの不明金が持ち主に返金されましたが、未だに約40億ドル近い金額がテキサス州政府の管理下に置かれているそうです。

不明金が発生する原因として引っ越しが挙げられ、次が主な出所となっているようです。

不明金の主な出所

  • 長い間現金化されなかったチェック
  • アパートなどの保証金(デポジット)の返還
  • 光熱費解約後の還付金
  • 長い間入出金の無い銀行口座の閉口
  • 貸金庫に預けっぱなしの資産
  • 保険会社からの給付金(保険金)
  • 裁判判決による給付金
  • 印税や使用料など

法律によって定められた期間を超す資産に対しテキサス州は一時的に預かる権利を持っており、放棄認定期限を超えた場合、各企業、銀行、電力会社その他の団体は、州政府に対しその資産を引き渡さなければなりません。あくまで持ち主が現れるまで一時的に預かる管理人という立場をとっているため、管理下に置かれた資産は州政府の所有物にはなりません。また不明金の管理には期限や時効が設定されていないため、所有者が名乗り出るまで半永久的にテキサス州政府に管理される事になります。

不明金の請求

これら不明金の情報は一般公開されており、次のいずれかの手段で検索することが可能で、オンラインの場合、名前を入力するだけで簡単に検索することが出来ます。

検索手段 問合せ先
  オンライン   https://claimittexas.org/app/claim-search
  電子メール   unclaimed.property@cpa.texas.gov
  電話   1-800-321-2274
  ファックス   1-888-908-9991
  事務所訪問   Unclaimed Property
LBJ Building
111 East 17th Street
Austin, TX 78711

請求方法はいたって簡単で、ウエブ上より請求書を作成し必要書類を一緒に提出すれば通常3、4ヶ月以内に返金されます。また提出書類の状況が気になる方は、次のリンクより「クレーム番号」を入力する事で手続きの進行状況を調べる事ができます。

請求費用

不明金の検索や問い合わせに対して費用は掛かりませんが、返還請求を行った場合、$100ドルを超す不明金に対し1.5パーセントの手数料が返金総額から差し引かれます。第三者の業者を利用して請求手続きを行う場合、その業者はテキサス州へ登録している必要があり、法律によりその業者に支払う手数料は不明金額の10パーセント以内に定まられています。

受け取る金額にそれぞれ差はありますが、返金額は一件につき平均千ドルとなっているようです。なかには数万ドルの返金もあるようですが、1996年にダラス在住の持ち主に支払われた430万ドルが今までで一番高額な返金額となっているようです。いろは読者の皆様も一度オンラインで検索されてみてはいかがでしょうか。

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