税制改正後の接待・交際費

 

昨年の5月号に接待および交際費用について寄稿させて頂きました。その後、税制改正により取り扱いが大幅に変更されましたので、今月は変更内容と関連事項について比較検証を行いたいと思います。

 
改正前の取扱い

お客様など取引先の接待を行う場合、最大でかかった費用の50%を損金算入する事が認められていました。ただし損金算入として取り扱われるためには諸条件を満たす必要があり、主な条件として接待がビジネスを目的としたものであり、かつお客様を帯同している事が必要となります。商談は必ずしも接待中に行われる必要はありませんが、接待直前または直後に行われる必要があります。また証拠資料として接待の目的、接待費用、日付、場所、参加者などの情報の記録を管理する事も義務付けられています。

 
改正後の取扱い

今回の税制改正により、食事を除く接待費用はたとえビジネス(商談)を目的とされても損金算入が認められなくなりました。損金算入が認められない費用は、スポーツ観戦や各種イベントの参加費、ゴルフのラウンド費用、コンサートなどの観劇費用、レクリエーション施設利用費、会員費など主に娯楽を目的とした接待費が対象となり、会食などの接待費は引き続き損金算入することが認められています。

 
比較と対策

経費項目 改正前 改正後
  交際費 (Entertainment)   費用の50%まで   損金算入不可
  会食費 (Meal)   費用の50%まで   変更なし
  出張中の食費   費用の50%まで   変更なし
  社内の食費
(スナック、軽食、飲料等)
  全額損金算入   2025年12月31日まで50%
  2026年1月1日以降は不可
  会議や残業中の食費   全額損金算入   2025年12月31日まで50%
  2026年1月1日以降は不可
  社内向けイベントの食費
(クリスマス、忘年会など)
  全額損金算入   変更なし

 
改正以前は、接待また交際費をMeal and Entertainmentとして一括りに取り扱っても特に問題はありませんでしたが、改正以降はそれぞれ損金算入の限度額が異なるため、食費(Meal)と交際費(Entertainment)とに区別して管理する事が望ましいでしょう。

また新しいルールの適用開始日が2018年1月1日となるため、年をまたぐ会計年度を採用している会社では改正前と改正後とに費用をそれぞれ分別する必要があります。例えば3月決算の会社では、2017年12月31日までの交際費と2018年1月1日から3月31日までの間の交際費とに分別する必要があります。

スポーツ観戦中に消費する食事や飲料などは何れに属するかの判断が難しいため、損金算入不可な交際費として取り扱う事が無難でしょう。

なお今回の接待費用改正により、会社名義で購入されていた野球やバスケットボールなどのスイートルーム契約やシーズン年間パス購入が減ると予想されていますが、代わりに商談を会食接待にシフトする事で節税効果を維持する事も可能となります。今年に入り会食接待が増えたと感じられた場合、税制改正の影響を少なからず受けていらっしゃるのではないでしょうか。

 

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