免税期間

今年で25回目を迎えるテキサス州売上税の免税期間 (Sales Tax Holiday) が8月9日から11日の3日間で実施されます。期間中に購入された物に対しテキサス州の売上税(税率8.25%)が全額免除となります。ちょうど免税期間中にいろは新聞が発行されますので、今月はテキサス州の免税期間について紹介をしたいと思います。

免税期間の始り

期限限定の免税措置は、1980年にオハイオ州とミシガン州で実施され、その当時の免税対象は同州の基幹産業である自動車購入に対する優遇税制措置として始められました。その後、衣服などの装飾品を免税対象とした免税措置が1997年にニューヨーク州で実施された事により、免税期間を設ける動きが他州でも広がり、2024年時点では19の州で施行されています。

テキサス州の免税措置は、1999年に開催された第76回テキサス州議会で民主党のエリス上院議員が法案を主導し、当時のブッシュ州知事の署名によって1999年6月に成立されました。元々は免税期間は一週間で、且つ単価が 200ドル 以下の全ての購入品が免税の対象として法案が提出されていましたが、可決された修正案では現行の免税期間3日間、単価が 100ドル 以下の免税対象項目に限定されました。今年度の節税効果は 1.4億ドルに上ると試算され、1999年の施行から総額 20憶ドルの節税効果が得られたと発表されています。

免税対象品目

テキサス州では新学期に合わせて毎年8月に免税期間が実施され、主に衣服や通学用の備品が免税の対象となっています。免税の対象は100ドル未満の衣服、履物、バックパック、学用品となり、購入時に自動的に売上税が免除される仕組みになっています。100ドルの限度額は商品一つ一つに適用されますので、一度の買物で80ドルの靴を2足買い、合計額が160ドル(100ドル以上)になった場合でも、100ドルの条件は一品ずつに適用されるため、両方とも免税の対象となります。また購入回数に制限が無いため、免税期間中に何度も免税措置を受ける事が出来ますので子供多く抱えている大家族にとっては家計の助けとなるでしょう。

免税措置は、主に子供を抱えている家族の金銭的負担軽減が目的となっていますので、単価が 100ドル以下でも免税の対象とならない物もありますので、売上税の免除措置を受けたい方は事前に対象品目を確認する事をお勧めいたします。次のリンク先(衣服類学用品)から免税対象品目と対象外品目を確認する事が出来ます。(注:リンク先の記号 (T) は対象外、(E) は免税対象)

対象外品目の概要

  • 単価が 100 ドルを超える購入品
  • 衣服のサブスクリプション・サービス
  • 普段着として使用されないスポーツ用品(注1)
  • レンタル・スポーツ器具
  • 裁縫備品(布切れ、ボタン、糸など)
  • 宝飾品、腕時計、ハンドバック、財布、カバンなど(注2)
  • パソコン
  • ソフトウエア
  • 教科書
  • 学用品リストに記載されていない購入品(注3)

【注1】

一般的に特定の運動以外では使用されないスポーツ用品(ゴルフシューズ、プロテクター付きの防具などのスポーツ用品は免税扱いにはならないが、普段着としても使用されるテニスシューズ、ジョギングスーツ、や水着などは免税の対象となる。

【注2】

通学用のバックパックなどは免税の対象となるが、それ以外のカバン、例えば、ブリーフケース、ハンドバック、旅行カバン、ジム用やコンピューター用のカバンなどは対象外となる。革製品も対象外。

学用品については、殆どが免税扱いになっており、一般的に使用される筆記用具、バインダー、フォルダー、ブックバック、電卓、弁当箱、ハサミ、コンパス、クレヨン、セロテープ、ノート、定規などが免税の対象となる。

あとがき

免税規定は州レベルで施行されている法律ですので、テキサス州内の小売店はこの規定を順守する必要があります。しかし、なかには期間中にもかかわらず売上税を徴収してくるお店もあるようですので、その際にはお店の方に売上税の返還を求めるなどして対処して下さい。

免税対象となる多くの品目は、小さいお子様向けの品物となっています。また免税リストの中にはテキサスならではの商品、バックル付きのベルトやカーボーイブーツなどが免税対象として含まれています。他には、幼児用の服、オムツ(成人用含)、ネクタイ、パジャマ、サンダル、下着、帽子も免税のリストに含まれています。一方、免税対象外のリストには、アクセサリー、ヘアクリップ、時計、財布、スパイク、ハンカチなどが含まれています。個人的にハンカチが対象外リストに入っているのは意外でしたが、よく考えてみればアメリカ人でハンカチを持ち歩いてる人はあまり見かけません。日本では学校への持ち物にハンカチが含まれていますが、ここアメリカでは学校の必需品との認識は無いようです。これも文化の違いでしょう。

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