留学生の確定申告

 

個人所得税申告に必要な情報も揃いはじめ申告の準備を進めている頃かと思われます。毎年この時期になると自分は申告する必要があるのか疑問に感じる方が多々いらっしゃると思いますので、今月は留学生の申告について紹介したいと思います。

 
留学生も申告する必要がある

あまり知られていない事ですが、実は学生ビザでアメリカに滞在されている留学生も何らかの書類を IRS へ提出する必要があります。提出書類はそれぞれ収入があるか無いかによって異なり、大半の方が収入が無い条件で必要書類を提出する事が一般的になります。

① 収入がない場合(仕送りのみ)

収入が無ければアメリカで確定申告をする必要が無いと思われている方が多数いるようですが、実は学生ビザ (F-1) でアメリカに留学されている方も収入の有無に係わらずアメリカで申告をする必要があります。通常、アメリカに滞在している外国人は、「実質的滞在条件」 (Substantial Presence Test) により「居住者」または「非居住者」に区分され、それにより課税所得の範囲が決定されます。

学生ビザでアメリカに留学されている方は、米国税法上「実質的滞在条件」の特別免除 (Exempt Individual) を受け、実際の滞在日数に関係なく常に非居住者扱いとなります。そのため日本からの仕送りのみで生計を立てている留学生は所得税を申告する必要はありませんが、米国税法上非居住者扱いである事を証明するための書類(様式8843)を6月15日までに提出する必要があります。

② 収入がある場合

学生ビザでアメリカに留学されている方で日本からの仕送り以外の収入(奨学金、課税対象所得、企業給付金)がある方は、前述の様式8843 と共に非居住者所得税申告書(様式1040NR)を4月15日までに提出する義務があります。ただし、留学期間中に日本から受け取る給付金(企業給付金、奨学金)については、日米租税条約(第19条)により非課税扱いとなるため税金は発生いたしません。また日米租税条約の恩恵は自動的に受けることが出来ませんので、所得税申告書に租税条約開示書(様式8833)を添付する必要があります。

現地でアルバイトや教育助手として受け取る収入は、米国源泉所得となりますので課税対象収入として申告する必要があります。学位取得目的で支給され、学費や教材費として使われる米国の奨学金は非課税扱いとなりますが、語学研修として受け取る奨学金、または学費や教材費以外に奨学金が使われた場合には同額が課税の対象になりますのでご注意ください。

③ 実務研修生(OPT所持者)の取り扱い

実務研修生 (Optional Practical Training) として得た収入は全て課税対象となるため、通常の所得同様申告をする必要があります。アメリカ在留身分は変更無く留学生となりますので、特別免除開示書(様式8843)と非居住者所得税申告書(様式1040NR)を4月15日までに提出する必要があります。

 

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