学費ローン

 

先月は学費積み立てについて紹介しましたが、積み立て以外の方法で学費を工面する手段として学費ローンがあります。学費ローンには政府から借り入れするローンと民間業者から借り入れをするローンの二種類がありますが、今月は政府から借り入れする学費ローンを中心に話をしたいと思います。

 
政府学費ローン

民間業者と政府から借り入れする学費ローンの大きな違いは、その取り扱い条件にあります。申請書類や条件が業者によってそれぞれ異なる民間学費ローンに対し政府ローンは米国教育省が一括して管理しているため、申請書類、条件また利率などは全国統一されています。政府学費ローンを申請する場合、FAFSA (Free Application for Federal Student Aid) と呼ばれる申請書類を提出する必要があり、Pell Grantなど返済する必要の無い奨学金や助成金を申請する場合にもFAFSAを提出する事が義務付けられています。

 
またFAFSAの提出と同時に所得の証明として個人所得税申告書の提示をする必要があり、申請をする時点で次の資格条件も全て満たす必要があります。

 
[ 申請資格条件 ]

  • 米国市民または永住権保持者である事
  • 社会保障番号 (Social Security Number) を持っている事
  • 高校卒業または高校卒業程度認定試験 (GED) に合格している事
  • 大学などの高等教育課程に受講登録している事
  • 過去に借り入れした学費ローンを滞納していない事
  • 在学中に麻薬取引で有罪判決を受けていない事

 
利子控除

政府から学費を借り入れした場合、通常在学中は金利はゼロで、利息は卒業後に発生するようにローンが組まれています。学費ローン返済で発生する支払利子は、次の条件を満たす場合には $2,500 を上限とし個人所得税申告の際に控除する事が認められています。年間 $600 以上の利息を支払った場合、利息を受取った側は詳細を明記した様式 1098-E を発行する事が義務付けられています。

 
[ 利子控除の諸条件 ]

  • 高等教育費のローンとして利子を支払っている事
  • その本人が利息を支払う義務がある事
  • 既婚の場合、夫婦合算申告を行う事
  • 他の納税者の扶養家族として申告されていない事

 
債務免責不可

他のローン(自動車ローン、住宅ローン、クレジットカード等)とは違い、学費ローンは2005年に制定された消費者保護法により返済を保護されているため、借入先が政府または民間に関わらず自己破産をしたとしても学費ローンが免責される事はありません。そのため実際に返済が困難な状況でも学費ローンが軽減される事は殆ど無く、支払を怠った場合はただ利息が増え続けるという悪循環に陥ってしまう事もあるようです。

 
先日、年金暮らしの方が、年金から学費ローン返済の一部として毎月一定額を差し引かれて困っているという記事を目の当たりにしましたが、毎年高騰する学費の支払のみならず、学費ローン返済に困窮しているアメリカ市民が年々増えているようです。

 

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