税制医療プログラムの比較

 

二か月に渡りサラリーマンの節税対策として税引前で積み立てができる税制医療プログラムを紹介しましたが、今月は両者の特徴について比較検証を行い、状況によりどのプログラムが有利であるか話をしたいと思います。

 
共通点

医療費支出口座(Flexible Spending Account、以下 FSA)と医療費貯蓄口座(Health Savings Account、以下 HSA)は並行して加入する事ができないため、お互いの違いをよく理解したうえでプログラムに加入する本人またその家族の医療状況に応じて選択を行う事が重要となります。

共通点としてはまず両者ともに税引前で積立金をする事ができ、適格医療費を支払う際、積立金を非課税で引き出すことが認められています。非課税扱いで引出し可能な医療費の範囲は IRS により定められていますが、取り扱われる医療費項目は実際に加入するプログラムにより異なりますので事前に確認をする必要があります。また加入者本人以外の家族(配偶者または扶養家族)も利用する事ができる点なども大きな魅力の一つでしょう。

同プログラムを上手く利用する事で積立金に対し所得税および社会保険税の免税を受ける事が可能なため、あらかじめ高額な医療費の出費が予想される年度に加入する事で節税効果が期待できます。

 
相違点

異なる点としてまず挙げられるのが、加入資格と年間最高積立金額でしょう。FSAの年間最高積立金額は加入者本人分の $2,550(2016年度)となっており、自営業者は加入する事ができません。比べてHSAの年間最高積立金額は $3,350 で、加入者本人以外の分も積み立てする事ができ一世帯の最高積立金額は $6,750(2016年度)となっています。自営業者はFSAに加入する事は出来ませんが、HSAには加入できる事が認められています。ただし、自営業者を含む全てのHSA加入者は High Deductible の医療保険を購入する事が条件となっていますので注意する必要があります。

その他FSA と HSA の大きな違いとして口座の管理また未消化の残高に対する取り扱いが挙げられます。FSAの場合、積立口座は会社によって管理されており会社を退職した場合、同時に積立金の権利も失う事になります。また積み立てた金額を基本的に年度内に全額使い切る必要があるため翌年への繰越は認められていません。そのため年度末に未消化の残高があった場合、全額没収されますので、定期的に残高を確認し計画を立てながら積立金を引き出す事が望ましいでしょう。

HSAの場合、口座は加入者本人が直接管理するため転職へのしがらみもなく、口座に自由にアクセスする事ができます。また積立金全額を当該年度内に使い切る必要はありませんので、残高が無くなるまで口座を保持する事ができます。

 
扶養家族ケア支出口座

会社によってはFSA や HASなどの税制医療プログラムの他に扶養費用を税引前で積み立てする扶養支出口座(Dependent Care Flexible Spending Account、以下扶養FSA)を提供している事もあります。扶養FSAは扶養家族のデイケア費用、養育費または介護費などを税引前で積立するプログラムで、一世帯に付き年間最高 $5,000(2016年度)を積み立てする事ができます。

FSAと同様、積立金に対し所得税および社会保険税が免除されるため、小さな子供のいる家庭にとって便利な節税プログラムと言えるでしょう。ただし、扶養が対象になる子供の年齢制限は13歳以下と定められており、加入資格が夫婦共働きの家庭に限定されています。

 

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