税金と生活習慣

 

日頃特に気にも留めていなかった事が、ある日突然法律や税金が変わる事で意識するようになり、結果的に日々の生活習慣に影響を及ぼす事が少なからずあると思われます。よく聞かれる事例としてタバコ税などが挙げられますが、税金が上がったため吸う本数を減らしたり、または喫煙を止めたと言うのがまさしくその良い例でしょう。今月はダラス市で1月から導入された環境税について話をしたいと思います。

 
環境税

既にご存知の方もいると思われますが、今年の1月からダラス市内で使用される使い捨ての買い物袋1つに付き環境税として5セントが徴収されるようになりました。環境保護とゴミのポイ捨てを減らす事を目的として導入されたダラス市の条例ですが、全ての買い物袋に対し課税されるのではなく、使い捨て袋 (Single-Use Carryout Bags) のみに対し課税される事と規定されている為、導入当初は買い物客のみならずレジ係りもかなり戸惑ったようです。

例えば Whole Foods とCVS の紙袋は環境税の対象外となりますが、Trader Joe’s の紙袋は徴収の対象となるといった具合で、消費者の混乱を招いているようです。

今回導入された環境税は、ダラス市条例 Chapter 9C に規定されている使い捨て袋 (Single-Use Carryout Bags) が対象となり、再利用袋 (Reusable Carryout Bag) および適用免除を受けた項目は課税の対象外となります。そのため前述のWhole Foodsの紙袋は再利用袋として、またCVS の処方箋薬袋は適用免除項目として取り扱われ、Trader Joe’s の紙袋は何れにも属さない為、課税されると言う事になるようです。

 
再利用袋の規定

  • 袋に会社の名前と再利用が可能と表記する事
  • 袋にリサイクル使用原料のパーセンテージを表記する事(紙袋)
  • 袋に持ち手が付いている事(小規模袋を除く)
  • リサイクル原料で作られ4ミリ以上の厚さがある事(プラスチック袋)
  • 再生紙を40%以上使用していること(紙袋)
  • 100回以上使用可能な耐久性を持っている事

 

適用免除項目

  • 洗濯袋、ドライクリーニング袋、衣料袋
  • ゴミ袋、ペット用の汚物袋、庭掃除用の袋
  • 薬局の処方箋薬袋
  • レストランの持ち帰り用の袋
  • 肉、魚介類、冷凍食品、野菜類、穀物、パン、花などを包む袋
  • 非営利団体で使用される袋(慈善活動の一環として利用される場合)

 

小売店の義務

ダラス市内で使い捨て袋を取り扱う場合、小売店は次の事が義務付けられています。また条例に違反した場合、1日に付き最高 $500 の罰金が科せられます。

  • ダラス市内の各店舗ごとに登録を行い、登録を毎年更新する必要がある
  • 1袋に付き5セントの環境税を徴収する
  • レシートに買い物袋の総数と環境税の合計金額を記載する必要がある
  • 徴収した環境税の90%を各四半期ごとにダラス市に納める必要がある

 

冒頭の話に戻りますが、環境税が徴収し始められた当初は不便だと感じていましたが、それも次第に慣れ、今では逆に環境に良い事を行っているという実感から買い物に行く際には買い物袋を持参するようになりました。また導入当初は、商品を抱えてお店から出てくる人を頻繁に見かけましたが、最近は多くの消費者が各自エコバッグを持参しているように見受けられます。読者の皆さんはどう対処していますか。

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